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【2022年10月】制度改正についてまとめて徹底解説!

投稿日:2022年10月24日

2022年10月以降は、さまざまな制度改正が施行されます。
そのため、これまでとは違ったルールが適用されることから、制度改正に伴う新たなルールについて適切に把握しておかなければなりません。
本記事では、2022年10月以降の制度改正について詳しく解説します。

被用者保険の適用拡大

短時間労働者への被用者保険の適用について、現在は従業員数500人超となっている企業規模要件を100人超へと引き下げられます。
また、従業員数5人以上の個人事業主に係る適用業種に、弁護士および税理士等の資格を有する者が行う法律又は会計に係る業務を行う事業を追加されました。
主たる対象者は、従業員数100人超の企業の事業主及び短時間労働者、5人以上の個人事業主となっています。

在職定時改定の適用

令和4年3月までは、65歳以降の被保険者期間については資格喪失時にのみ年金額が改定されていましたが、在職中であっても毎年10月に改定を行うこととされました。
主たる対象者は、65歳以上70歳未満の老齢厚生年金の受給者となっています。

育児休業中の社会保険料免除要件の見直し

育児休業等を開始した日の属する月の末日が育児休業等期間中である場合に加え、同月中に14日間以上の育児休業等を取得した場合についても、当該月の保険料徴収を免除することとなりました。
また、賞与に係る保険料免除については1か月超の育児休業等に限定されて免除対象となっています。
主たる対象者は、健康保険、厚生年金保険の被保険者となっています。

最低賃金額の改定

都道府県ごとに定められている地域別最低賃金が改定されました。
全ての都道府県において、時間額30円から33円の引上げとなり、全国加重平均961円となりました。
なお、本改訂に伴う実情への反映は令和4年10月1日以降において順次発効されることとなります。
主たる対象者は、すべての労働者とその使用者となっています。

「産後パパ育休」の創設、育児休業の分割取得

子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組み「産後パパ育休」が創設されました。
原則子が1歳まで取得可能な育児休業について、分割して2回まで取得することが可能となっています。
なお、産後パパ育休および分割した2回目の育児休業については、育児休業給付の対象となっています。
また、自治体によっては「ワーク・ライフ・バランス推進事業」の一環として、男性の積極的な育児参加を促すことをおよび育児に主体的に関わるきっかけを目的として、父子手帳の交付を行っているところもあります。
主たる対象者は、労働者及び事業主となっています。

企業型DC加入者のiDeCo(個人型DC)加入の要件緩和

企業型DCの事業主掛金とiDeCoの掛金との合算管理の仕組みを構築することで、企業型DC規約の定めや事業主掛金の上限の引下げがなくても、月額5.5万円から各月の事業主掛金を月額2.0万円を上限として控除した残余の範囲内で、iDeCoの掛金が各月拠出可能となりました。
本要件緩和に併せて、企業型年金加入者掛金の拠出のマッチング拠出を導入している企業の企業型DC加入者は、マッチング拠出かiDeCo加入かを加入者ごとに選択可能となります。
主たる対象者は、企業型DC加入者となっています。

診療報酬改定

令和3年11月に閣議決定された経済対策を踏まえ、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関において、勤務する看護職員の処遇を改善するための措置を実施している場合の評価が新設されました。
令和5年度より、保険医療機関・薬局に、医療DXの基盤となるオンライン資格確認等システムの導入が原則義務化されることを踏まえ、当該システムを通じた患者情報の活用に係る現行の評価を廃止したうえで、医療DXの推進により、国民が医療情報の利活用による恩恵を享受することを推進する観点から、初診時等における情報の取得・活用体制の充実及び情報の取得の効率性を考慮した評価が新設されています。
令和4年10月1日より、紹介状なしで一定規模以上の病院を受診する場合等にかかる「特別の料金」の見直しがされました。
主たる対象者は、保険医療機関、保険薬局、公的医療保険の被保険者となっています。

後期高齢者医療制度における窓口負担割合の見直し

現役並み所得者を除き、75歳以上の方等で一定以上の所得がある方について、窓口負担割合が2割となりました。
また、窓口負担割合が2割となる方について、令和4年10月1日から令和7年9月30日までの間、外来の負担増加額を月3,000円までに抑える配慮措置を導入しています。
主たる対象者は、後期高齢者医療の被保険者となっています。

介護報酬改定について

令和4年2月から9月までの介護職員処遇改善支援補助金による、介護職員の給与を月額平均9,000円相当にあたる3%程度を引き上げるための措置が継続的なものとなるよう、令和4年10月以降について臨時の介護報酬改定を行い、介護職員等ベースアップ等支援加算を創設しました。
なお、具体的な申請手続き等については、事業所がご所在の自治体の介護保険担当課にて対応してくれます。
主たる対象者は、介護サービス事業者等となっています。

令和4年10月~令和5年3月の雇用保険料率

失業等給付に係る雇用保険料率について、令和4年度後半にあたる10月~令和5年3月において、6/1,000とされました。
なお、令和4年度前半にあたる4月~9月は2/1,000であり、前半および後半ともに労使折半となります。
主たる対象者は、労働者及び事業主となっています。

募集情報等提供事業者の定義の拡大及び一部届出制の創設(職業安定法)

職業安定法上の「募集情報等提供事業者」について定義を拡大し、従来の求人メディア等に加え、インターネット上の公開情報等から収集(クローリング)した求人情報・求職者情報を提供するサービスや他の求人メディアや職業紹介事業者の求人情報・求職者情報を転載するサービスを含むこととされました。
労働者になろうとする者に関する情報を収集する募集情報等提供事業者(特定募集情報等提供事業者)に届出制を創設しました。

なお、令和4年10月1日時点で特定募集情報等提供事業をおこなっている事業者は、令和4年12月31日までに届出が必要となっていますので、注意が必要です。
また、特定募集情報等提供事業者に年に1度事業の概況を報告する義務が創設されました。
主たる対象者は、募集情報等提供事業者であり、特に労働者になろうとする者に関する情報を収集する募集情報等提供事業者となっています。

まとめ

2022年10月以降の制度改正について詳しく解説しました。
制度は時代背景などの影響を受けて、幾度となく改正されるものです。
そのため、企業においては適用されている制度が最新の情報となっているのか常に確認をしておかなければなりません。

また、2022年10月にはさまざまな制度改正が行われました。
昨今では共働き家庭も珍しくなく、働き方の多様化を考慮して子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組みである「産後パパ育休」が創設されました。
男性についてもこれまで以上に積極的に育児に関与できるよう、再度の構築が図られています。

また、社会保険の適用拡大については、今回は100人以上が対象となりますが近い将来、50人以上となります。50人以上の企業も今回の改正をキッカケに正社員とパートの区分や職域等を整理し、社会保険加入の準備等をしておくことをおすすめします。

本記事が、制度改正などの業務を遂行されている人事労務担当者の方などの一助となったのであれば幸いです。

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