社会保険労務士法人FORROU(フォロー) ロゴ

【2023年4月】制度改正についてまとめて徹底解説!

投稿日:2023年4月6日

2023年4月以降は、さまざまな制度改正が施行されます。
そのため、これまでとは違ったルールが適用されることから、制度改正に伴う新たなルールについて適切に把握しておかなければなりません。
本記事では、2023年4月以降の制度改正について詳しく解説します。

2023年度の雇用保険料率と雇用保険の給付概要

2022年度はコロナ禍で雇用保険料率を引き上げることに対する労使の負担感が考慮され、上期と下期の2段階での引上げとなりました。2023年度は2022年度の下期の雇用保険料率からさらに従業員負担・会社負担ともに1/1,000引上げられ、下表のとおりとなります。

2023年度の雇用保険料率

3月分以降の協会けんぽの健康保険料率・介護保険料率

協会けんぽの保険料率は、各都道府県支部別に設定されますが、2023年3月分から適用される健康保険料率は下表のとおりとなりました。47都道府県のうち、前年度より健康保険料率が引上げとなったのが13、引下げとなったのが33、変更なしが1でした。そして、もっとも高い保険料率は佐賀県の10.51%、もっとも低い保険料率は新潟県の9.33%となっており、佐賀県と新潟県の保険料率の開きはかなり大きなものになっています。

表 2023年3月分からの健康保険料率(各都道府県支部別)

2023年3月 健康保険料率
介護保険の保険料率は単年度で収支が均衡するよう毎年見直しが行われますが、2023年3月分からは、1.64%から1.82%への引上げとなりました。

月60時間を超える時間外労働の割増賃金率引き上げ(中小企業)

2023年4月より、中小企業の月60時間を超える時間外労働(法定時間外労働に限る)の割増賃金率が、25%から50%へと引き上げられます。改正後、主に3つの実務(作業)が必要です。

勤怠集計で60時間超えの残業を把握する

勤怠集計では、出勤日数/出勤時間/総労働時間/時間外労働時間/深夜労働時間などを集計しますが、猶予措置解除後は60時間超えの残業こそ人件費を爆増させる項目になりますので、必ず把握するようにします。

給与計算ソフトなどの割増率を設定する

ソフトによって仕様は異なりますが、設定で新たに月60時間超えの残業分の割増率を追加する必要があります。ただ設定画面で割増率を1.5と入力するだけでよかったりしますので、忘れず対応しましょう。

代替休暇の時間数を計算

50%以上の割増率を支払わない場合、代替休暇に充てるべき時間数を計算し、就業規則及び36協定特別条項に沿って、半日もしくは1日の代替休暇を付与します。

賃金のデジタル払い解禁

2023年4月より、賃金を銀行口座ではなく「〇〇ペイ」などのキャッシュレス決済口座に振り込むことが可能となります。実際にデジタル払いを行うには、労使協定の締結や従業員の同意などの条件を満たすことが必要です。

男性育休の取得率の公表義務化

2023年4月より、常時雇用する労働者が1,000人を超える企業は、男性の育児休業・育児目的休暇の取得状況を年1回公表することが義務づけられます。

まとめ

2023年4月の制度改正について詳しく解説しました。

制度は時代背景などの影響を受けて、幾度となく改正されるものです。
そのため、企業においては適用されている制度が最新の情報となっているのか常に確認をしておかなければなりません。4月以降の法改正についても以下の表で確認できます。

人事労務管理の法改正について、詳細を確認したい場合は、顧問社労士にご相談ください。
顧問契約をしていない会社担当者様は、ぜひ弊社(社労士法人FORROU)ご相談ください。
(※以下のバナーよりご相談フォームに遷移いたします)

関連記事

36協定の新様式

【記入例有り】36協定の新様式、書き方完全マニュアル(社労士が解説)

新36協定のおさらい 2018年6月に成立した「働き方改革関連法」によって時間外労働の上限規制が変わります。それに伴い、36協定のフォーマットも新様式に変わりました。 この記事では、2019年4月から …

東京都の中小企業が受けられる「働くパパママ育休取得応援奨励金」とは?

少子化対策として、出生率を高めることは非常に重要な社会的課題に位置付けられています。国や自治体は子育てしやすい社会づくりを目指してさまざまな施策を行い、企業には従業員が育児休業を取得しやすい環境の整備 …

【2019年4月改正】労働安全衛生法の改正後の変更点を詳しく解説!

2018年6月に成立した「働き方改革法」。「有休取得の義務化」や「同一労働同一賃金」などインパクトが大きい法改正が多い中、認知が進んでいない法改正が「健康情報取扱規程作成の義務化」ではないでしょうか。 …

中小企業が取り組むべき「人事評価制度」構築のメリット

中小企業の人事の悩みは尽きません。たとえば、 ● 従業員が定着しないから採用経費がかさんでしまっている。 ● 評価制度がないから勤続年数だけで給料を決定してしまっている。 ● 先日もエース級の正社員に …

65歳超雇用推進助成金の65歳超継続雇用促進コースを解説!

高齢化社会では若年労働者は減少します。自社の従業員が高齢に達して新規採用を行う場合でも新卒のような若年層は競争が激しく、困難になっていきます。これまでのような定年制度を維持していては人手不足になり、安 …